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繋-TUNAGU- 会員様インタビュー

繋-TSUNAGU-

Vol.43 2015.November

自分の家族に誇れる“形に残る仕事”

フジテック株式会社

国内事業本部 近畿統括本部長

荒木麻美 様

私の座右の銘「熟慮断行」

荒木 麻美氏 略歴 PROFILE
1962年8月6日生
【最終学歴】神戸商船大学 商船学部 原子動力学科 1987年卒
(現、神戸大学 海事科学部)
【略  歴】
1987年 4月 入社(大阪支店 営業部)
2000年10月 大阪支社 営業推進部 専門課長
2004年 4月 名古屋支店 担当課長
2004年 7月 但馬営業所長
2007年 4月 京都支店長
2010年 4月 新設事業部 新設事業統括センター長
2012年 4月 首都圏統括本部 副本部長(兼)営業推進部長
2012年10月 理事、現在に至る
2013年 4月 国内事業本部 近畿統括本部長、現在に至る

 

 

理系出身の営業職として

私は大学時代、神戸商船大学 (現 : 神戸大学)にて原子動力について学んでいました。じつは、私の兄も同じ分野の研究者であり、すでに原子力関連の仕事についておりました。ですが、成績が芳しくない場合の仕事はつねに放射能の危険性と隣り合わせの現場作業と、兄にひどくおどかされ、自らの健康や将来について考え、自分は原子力の分野以外で技術系の開発に携われる仕事と思い、エレベータで有名なフジテックへ就職することにしました。

私が入社する前年、フジテックは大きな赤字を抱えていました。そのため「営業」 が全社的な喫緊の課題となっており 「今年の理系大学出身の技術職採用の新人のうち、 何名かを営業職としたい」 と会社は考えていたのです。
入社後、営業職の先輩方から、営業についてのやりがい、仕事の魅力についてお教えいただき、納得した私は 「理科系の人間が、営業の現場にいくと説得力が違うはずだ」 と思い、自ら率先して立候補しました。

結果、その念願が叶い社内「初」 の理科系出身の営業マンとして、スタートを切ることになりました。

専業の会社で、大手に立ち向かう営業

 

ご存じのように、エレベータを売るという仕事は一筋縄でいきません。

販売にかかる年月が長いこと、フジテックは専業の独立企業だということ、施主様や設計、工事を担当するゼネコンとの関係などが複雑であるということ、などがその要因です。大型案件では、情報収集から、コンペ、契約、施工、完成にいたるまで5〜10年かかるものも多く、さらに競合他社は、日本を代表するような大手電機メーカー系列であり、その力関係だけで受注がきまる場合があります。

フジテックは、最大手でも、財閥系でもありませんでしたから、私はまじめにコツコツと営業活動を続けていくことにしました。
そんな私にいきなり転機がやってきました。

当時、大阪駅前の大型再開発事業であるハービスエントの仕事です。
ハービスエントは、電鉄系企業が事業主体であり、電鉄系の会社には,それぞれに対して競合他社が深い関係を築いていましたから、大変不利な交渉事となることを想定しておりましたが、正当なプロポーザルコンペが開かれることになったのです。

大型案件では、まれに利害関係が複雑にからみすぎて、収拾がつかなくなる時があります。それなら、密室で受注先を決めるのではなく、公開案件にして各コンペティターよりよい提案をしてもらおうという、時代に先駆けた流れが出始めた時期でもありました。

弊社はこのコンペに勝ち、見事契約を勝ち取ることができたのです。
理由は、プレゼンが型破りだったこと、他の会社では不可能だった提案ができたこと、の2つであり、絶対に負けないという情熱がそれらを可能にしたのだと思います。
プレゼンは分厚い企画書を束ねるのではなく、3枚のパネルだけでした。 これが意外に審査する側に新鮮なアピールとなりました。 また、当時はまだ未発売だった商用のLEDをエレベータの周りに全面的に配置したことが決め手になりました。

LEDの使用は、パナソニックさんからの思わぬ提案を受け実現したのですが、 これは技術力というよりも、人間力の勝利だと私は思っています。 なぜなら、営業マンは、大企業の人間であっても、元をただせば一人の人間であり、その一人ひとりの 「つながり」 で仕事の成否が決まるからです。 周りからのサポートをどれだけもらえるか、お客様から他の誰でもない 「あなたにお願いしたい」 と言ってもらえるか、が勝負の分かれ目であり、営業の真髄ではないかと思います。

家族が尊敬してくれる仕事

近畿統括本部長、それが現在の私の役職であり、それに伴ってさまざまな責任が生じてきます。どのような事態が起こっても、即座に対応するため、現在、遠方に住む家族とは、頻繁に会うことはできません。

月に1〜2回帰省する、いわば単身赴任状態です。ですので、自宅で家族と過ごすのは、私にとってひじょうに貴重な時間です。 娘の習い事へ付き添ったり、一緒に釣りへ出かけたり、充実した時間を過ごしています。家族が大阪を訪れてくれた際には、自らが計画に関わったビル、ハービスエントやなんばパークスのオフィス棟エレベータに連れていくことがあります。

嬉しいことに、娘は私が携わったエレベータに乗ったとき 「パパすごい!」 と 言ってくれます。この瞬間ほど 「形に残る仕事」をしている自分に対して、誇り、やりがいを感じることはありません。

公私の区別なく利用できるのがGCCOのメリット

私のようなエリアの責任者にとって、お客様と交流を深め、ビジネスを円滑に進めていくには場の 〝雰囲気〞も大切です。GCCOは、そのような環境にうってつけだと感じております。

GCCOは、お客様との会議や会食、社内行事などの際に、頻繁に利用させてもらっております。内装や調度品の美しさはもちろん 、各種設備や人的サービスが充実しており、 細かな要望にも臨機応変に対応していただけるからです。そしてなおかつ、リーズナブルであり、大阪キタの一等地というアクセシビリティとあいまって、他の選択肢は考えられません。

私の部下のなかには、会社の終業時刻まで、GCCOでセミナーの打ち合わせなど通常業務をこなし、終業時刻が来ると即、自分たちの宴会などに利用するといった者達がいるほどで、公私の区別なくお付き合いできるところも、GCCOのメリットだと思います。

計88台のエレベータ、 エスカレータを一度に施工

企業にとって 「地域性」 というのは非常に重要な要素です。
当社は、滋賀県に工場と研究塔、大阪府茨木市にお客様のためのアフターマーケットの拠点を設けています。 研究塔では、お客様に実際に高速エレベータの乗り心地を体感してもらうことも可能です。ですから、大阪および近畿圏で、採用を検討してくださっているお客様であれば、すぐにでもお連れして、技術力の高さをアピールすることができます。

この秋、日本最大級の大型複合施設としてエキスポシティ、ガンバスタジアムの2つが完成しました。当社では、この2施設のエレベータ、エスカレータ総計88台を一度に施工するという大型プロジェクトを受注できましたが、これも近畿圏での販売シェアが 20%を越え、地元の企業だという信用力の賜物だと思っております。

大阪という〝場の力〞を活かす

大阪には、いろいろな経営者の団体がありますが、メンバーが一番元気に活動しているのが、GCCOだと思います。ですから会員の皆様と一緒に、できるだけ強固な協力関係を築いていき、大阪ひいては関西全体を盛り上げていけたらと願っています。

さきほども申し上げましたが、場の力というのは、私達が想像する以上にビジネスを強力にサポートしてくれます。大阪および関西における徹底的な地盤作りが、自らの会社はもちろん、関西の経済全体を発展させる力になると思うのです。そのために必要になるのが、GCCOだと思います。一緒にがんばっていきましょう。

 

編集後記【お客様から100%以上の信頼を得る】

座右の銘は 「熟慮断行」 とおっしゃっていた荒木様。それは、先に不安を残さないよう、しっかりと考えをめぐらし固い決意を持ってから、思い切って行動に移すという意味です。 日頃から、情報をいち早く手に入れ、常に積極的に先手を打つ営業で、数々の大型プロジェクトを成し遂げた荒木様の成功の理由がそこにすべて集約されている気がします。

また、荒木様は、お客様から「指名」を頂くには地道な「懸命さ」が大切だと語られていました。お客様と真摯に向き合い、努力を重ねる姿勢は、たとえ100%の要望に応えられなくても100%以上の信頼を生む、というのが持論だそうです。同じ営業担当者として、この含蓄のある言葉をかみしめていきたいです。(編集子)

 

(インタビュー取材:ライティング株式会社)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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